立ちくらみとは
立ちくらみとは、お風呂上りなどにも起こる目の前がフッと暗くなってしまう症状です。ときには、そのまま意識を失ってしまうこともあります。
立ちくらみの
原因となる病気
熱中症・脱水
脱水は、暑い場所で長時間作業をしたり運動をしたりすることで起こります。また、身体を動かしていなくても、連続した下痢や嘔吐などで水分を失ってしまうことでも起こります。
そして脱水の状態のまま適切な水分補給を行わないことで、熱中症に陥ります。
立ちくらみの他、発汗、喉の渇きなどの症状が見られます。悪化すると、頭痛、嘔吐、筋肉の硬直、意識喪失などに至ります。
起立性低血圧
寝ている状態から身体を起こす、立つといった大きな姿勢の変化によって、血圧が急激に下がった状態を指します。脱水、貧血、飲酒、パーキンソン病、糖尿病などが原因になります。
立ちくらみの他、めまい、冷や汗、吐き気などの症状を伴います。
貧血
貧血とは、何らかの原因によって、血液が薄くなっている状態を指します。原因によって、鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、二次性貧血、悪性貧血に分けられますが、ほとんどが体内の鉄が不足することによる鉄欠乏性貧血です。
立ちくらみのほか、めまい、耳鳴り、倦怠感、どうき、息切れ、肌の乾燥、頻脈など、さまざまな症状を伴います。
更年期障害
閉経前後の5年間、おおよそ45~55歳くらいに起こるさまざまな身体的・精神的症状が、日常生活に支障をきたしている状態です。
立ちくらみの他、火照り、のぼせ、発汗、手足の冷え、動悸、肩こり、うつ経口、不安、不眠、イライラなど、さまざまな症状を伴います。
神経調節性失神(反射性失神)
自律神経の乱れによって、脳の血流が適切に調節できないために起こる失神です。
排尿、排便、嚥下、恐怖、驚き、頚部への刺激(髭剃り、マッサージ)など、さまざまな誘因があります。
失神の前に現れる症状として、立ちくらみ、めまい、冷や汗、吐き気などの症状が見られます。失神の時間は通常1分以内です。
全身性疾患・脳疾患
糖尿病、甲状腺機能低下症、一過性脳虚血発作、パーキンソン病などの疾患を原因として立ちくらみが生じることがあります。
立ちくらみが頻繁に
起こる場合は受診を
立ちくらみが頻繁に起こる場合には、お早めに当院にご相談ください。また、特に以下のような状態にある方は、早急な受診をおすすめします。
- 血便、タール便が出ている
- 歩行困難、
ふらつきが起こっている - 失神することがある
- 胸の痛みなど他の症状を伴う
立ちくらみの治療方法
原因となっている疾患がある場合には、その治療を優先して行います。
その他、以下のような方法で立ちくらみの改善を図ります。
生活習慣の改善
ケガや病気の療養中の場合、毎日ベッドの上で身体を起こし、運動を行います。
また、体を起こすときや立ち上がるときには、ゆっくりと体を動かし、転倒などを起こさないよう細心の注意を払います。
小まめに水分を摂取すること、アルコールを控えることも大切です。
薬物療法
血圧低下を予防する薬、動脈・静脈を収縮させる薬など、患者様の立ちくらみのタイプや身体の状態に合わせた処方を行います。
立ちくらみの改善・予防方法
急に立ち上がらない・
起き上がらない
朝ベッドから起き上がるとき、座っている状態から立ち上がるとき、ゆっくりと身体を動かします。
特に起床時は、ベッドの上でゴロゴロと身体を動かすなどして、血流を良くしてから起き上がるようにしましょう。また転倒を防ぐため、安定した家具や手すりを掴んで身体を動かすと安心です。
貧血改善につながる栄養を摂る
レバー、ほうれん草、赤身の魚、大豆など、鉄分やたんぱく質を豊富に含む食品を意識的に摂取し、貧血を改善することも大切です。
血行を良くする
適度な運動、身体を温める入浴などによって、普段から血行を良くしておくことが大切です。
冷たい食べ物・飲み物の摂り過ぎにも注意しましょう。
自律神経を整える
規則正しい生活リズム、十分な睡眠、ストレスの解消によって、自律神経を整えましょう。脳の血流が適切に調整され、立ちくらみの改善・予防に役立ちます。