お腹はすくけど食欲がない…このような症状はありませんか?
お腹が空いている感じはあるのに、いざ食べ物を前にすると箸が進まない・必要な量を食べられないということはありませんか?このような状態を食欲不振と言います。
お腹の調子が悪かったり、悩みごとがあるなどして、ほとんどの方が一度は食欲不振を経験しています。しかし、心身の調子が良いのに食欲が出ない、なぜか分からないけれど食欲不振が続いている、というときには要注意です。食欲不振の中には、疾患を原因として起こるものも存在します。
食欲がわかない原因は?
ストレスが関係する?
ストレス
家庭・仕事・友人関係・金銭・健康などへの不安や心配からストレスが溜まると、食欲不振が引き起こされることがあります。基本的に、不安や心配がなくなりストレスが軽減されると、食欲は戻ります。
一方で、うつ病などのこころの病気が原因となっている場合には、その専門的な治療を要します。
生活リズムの乱れ
食事の時間が変則的になると、そのタイミングによっては、どうしても食欲が湧かないことがあります。また、昼夜逆転生活、睡眠不足などが重なって自律神経が乱れることで胃腸の機能が低下し、食欲不振に陥るケースも見られます。
消化器(臓器)の疾患
胃腸、肝臓、膵臓などの消化器の炎症や潰瘍、機能低下などを原因として、食欲不振に陥ることがあります。各疾患に応じた治療が必要です。
甲状腺機能の低下
甲状腺機能の低下によって食欲不振に陥るケースです。全身の代謝が低下するため、食べる量は少ないのに、体重が増加するといったことも起こり得ます。
風邪・インフルエンザ・コロナウイルス
風邪やインフルエンザなどへの罹患を原因として胃腸の機能が低下し、食欲不振に陥ることがあります。
また、新型コロナウイルスへの感染によって食欲不振が起こるケースもあるようです。
食欲不振の原因は
病気の可能性も
慢性胃炎
主にピロリ菌への持続感染によって引き起こされる慢性的な胃炎です。
食欲不振のほか、胸やけ、みぞおちの痛みなどを伴います。
胃・十二指腸潰瘍
主にピロリ菌感染や薬の副作用によって引き起こされる、胃や腸の潰瘍です。
食欲不振のほか、みぞおちの痛み、胸やけ、胸痛、嘔吐、下痢、吐血、下血などの症状を伴います。
胃がん
塩分の摂り過ぎ、喫煙、ストレスなどを原因として発症するがんです。
初期にはほとんど無症状であるものの、進行すると食欲不振、みぞおちの痛み、胸やけ、吐き気などの症状が現れます。
甲状腺機能低下症
甲状腺の機能が低下し、甲状腺ホルモンが十分に分泌されない病気です。代表的な甲状腺機能低下症として、橋本病が挙げられます。
全身の代謝や精神的な活動性が低下することから、さまざまな身体症状・精神症状を招きます。そのうちの1つとして、食欲不振が見られます。また、食欲不振によって食べる量が少ない一方で、体重は変わらない・増加するということもあります。
食欲不振のときの
受診のポイント
食欲不振が続くときには、お早めに当院にご相談ください。その際、以下のようなことを確認した上でご来院いただければ、診断に役立てることができます。
- 食欲不振に気づいた時期、そのときの状況(大きなストレス、環境の変化などはなかったか)
- どれくらいの量を食べているか(スマホで写真を撮ってきてくださっても結構です)
- 体重の変化はあるか
- 食欲不振以外の症状はあるか
- 食べ物の味はあるか
- 抑うつなどのこころの変化があるか
- 十分に眠れているか、休めているか
治療方法
胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、甲状腺機能低下症などの疾患を原因とする場合には、その治療を行うことで、食欲不振は改善されます。
原因が疾患にない場合には、ストレスの解消のためのアドバイス、生活習慣の改善などにより、食欲不振の改善を図ります。
なお、胃カメラ検査が必要になった場合には、連携する佐々木病院をご紹介させていただきます。
もちろん必要に応じて、それ以外の医療機関にご紹介することも可能です。